緑にゆだねる

izaatsuyoshi2009-02-22


どうやら私のエネルギー源は、鬱蒼と茂る木々の緑であるらしい。山に登るのも「緑」に全身をゆだねたいという思いからであろう。

午後、茶会帰りのMと箱根で待ち合わせ、奥湯本の温泉に「緑」を訪ねた。浅春の湯治場の庭には、枝垂梅が咲き誇り、気高い梅の香は遠方まで漂うようであった。

野天風呂からは冬枯れの木々がすぐそこに見えた。雑木の枝先は赤い芽に彩られており、ひと月もすれば新緑が萌え出すことであろう。

精気をもたらすもうひとつの「緑」は、茶の湯の緑(抹茶)であろうか。多忙に紛れ、このところ茶事から遠ざかっているが、実現せぬとも道具の取り合わせを考えるのは楽しいものだ。

熱海のMOA美術館では、22、23日と光琳茶会が催されている。Mは濃茶席に招かれ、この日のために選びぬかれた道具の数々を堪能してきたようである。

湯上がりに、川向こうの緑を眺めながらビールを飲む。Mが光琳茶会の様子を語る。印象に残ったのは寄付床の一休「梅画賛」、交趾香合、本席の水指「南蛮縄簾」とのこと。会記を見ればさすが名品揃いであった。

好きなものに囲まれ思うように暮らしたいが、まだまだ若輩と湯でほころんだ身を引き締めたものである。