動物の絵

府中市美術館にて

ふた昔前にもなろうか、ジュネーブ歴史博物館で動物をテーマにした展覧会を見たことがあった。古代ヨーロッパのライオンのモザイク壁画が印象に残っている。


Musee d'art et d'historie Geneve "animaux d'art " du 30 mars au 24 septembre 2000


さて豊かな緑に囲まれた府中市美術館を訪ねたのは初めてのこと。
「動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり」は、古今東西の動物絵の展覧会である。
こんな名品が個人の所蔵であるのかと驚きも多く、日本のコレクターの気概も感じた展覧会であった。

今回は記憶に残る個人蔵の作品に出くわした。曾我蕭白は、私には癖が強すぎ、好んで見たことはなかったが、「遊鯉図」にはうならせられた。強くしなやかな鯉の体は、男児の成長を願う端午の節句のシンボルにふさわしい生命力を感じさせた。連れと二人、何度も作品の前を行きつ戻りつしたものであった。