整体デビューを飾る!

箱根にて

右肩から腕にかけての痛みが続いている。腕を上げる、後ろに回す、そんな動きで激痛が走る。夜間、痛みに起こされることも度々。耐えきれず箱根に向かった。先週末のことである。

ロマンスカーが箱根に近づくにつれ、雪が舞い始めた。連れは雪見風呂だと嬉しそうに窓外を眺めていたか、残念なことにホテルに着いた頃には止んでしまった。

ゆっくりと湯につかって、腕や足、身体を撫でてみる。正座は難しいものの、膝は生活する中では痛みを感じない。問題は右肩と腕の痛みである。

ホテル内に整体を受けられる部屋があり、マネージャーに評判を尋ねると大変良いという。初めての整体に行ってみる気になった。

さて、湯上がりにいつものステーキハウスで遅い昼食をとる。長い鉄板のテーブルには何人かの料理人が並び、客を前に肉や海鮮、野菜を焼いてくれる。私たちはいつものフィレのコースを頼んだ。

料理人によって焼き方や塩の振り方が違い、それを見ているのも楽しい。連れはじっくりと観察して、ニンニク、肉の焼き方はあの人、味付けはあの人、パフォーマンスはあの人が良いなどと、店を出たあとの話は尽きない。

食後に整体の予約を入れるが、2時間余り先になるという。再び湯に浸かり、庭を眺めながら過ごす。寒中にあっては、池の鯉の動きも緩慢であった。

施術者はマネージャーの紹介通り、中国の女性であった。症状を話すと、間髪を入れず50肩の症状だという。施術後、検索すると、自分の症状そのもので笑ってしまった。

背中はどこを押してもコリコリと音がして、全体が凝っているらしい。腕は大分楽になったが、翌日には痛みが戻ってしまった。とは言え身体は大分軽くなった。整体にハマる人の気持ちも分かる。

50肩はなかなか完治しないそうである。気長に行こうと腹を決めた。

さて、北京オリンピックが始まった。連れとスノーボード競技を見る。極寒の青い空にアスリートたちが飛び出していく。

「…どうしたら良いのでしょうね?」と実況アナウンサー。すかさず連れは「そんなこと聞かれてもなあ、俺には分かるわけないよナ」ってオイオイ!「そちらには聞いてないから!」

TVと会話する連れの、そんなこんなで大笑い。腕の痛みもコロナ禍のストレスも、いっ時吹き飛ぶような気がした。