手打そば くりはら

izaatsuyoshi2008-09-29


1年半も前になろうか、知人が渋沢に蕎麦屋を開店した。箱根の湯の帰りに立ち寄ろうか、いやいや、丹沢に登りその帰りに食そうか、とかねて計画をしていたが、今日(9/28)まで時は矢のように過ぎてしまっていた。

店は渋沢からタクシーで5分ほどのところにあり、民家を改造したものであった。入り口の左手に小さな枯山水の庭があり、飛び石は地元の川石を使ったそうだ。水遣りが行き届いているのだろう、コケが青々としていた。

主人は30代の男性で、店の奥で懸命に蕎麦を打つ姿が見えた。庭に面したテーブルにつき、エビスの小瓶とゴマ豆腐、コンニャクの味噌田楽を注文する。遅ればせながら、まずは開店を祝って乾杯だ。通しに出された蕎麦味噌、胡瓜、大根、人参の糠漬が美味い。続いて落花生の塩茹、豆腐の味噌漬をもらう。

持ち込みの黄瀬戸六角、斑唐津盃に、八海山、続いて黒牛を注ぐ。カリッとあがった天麩羅は、酒のあてに不足はなし、いよよ旨しという按配である。

満席であった店内は、いつの間にか呑助の我々だけになり、主人が顔を出してくれた。蕎麦は香り高く、彼の心意気が感じられた。料理は鎌倉の料理屋で学んだそうだが、蕎麦の味を一段と引き立てる献立であったと思う。店の繁盛を願って渋沢をあとにした。

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