久しぶりに心惹かれる一冊と出会う。
直木賞受賞作は取り敢えず読むという妹の推薦本だが、中島氏の本を読むのは初めてであった。
戦前の社会情勢や人々の生活を描いては暗いながらもユーモアがあり、出久根達郎氏の小説に共通する楽しさがあった。
また女たちが纏う濃密な空気感や一人称小説であることなど、谷崎潤一郎大先生の世界をも彷彿とさせた。
話題となった映画は未見だが、機会があれば是非見たい。この物語の要のひとつ、「小さいおうち」の建築ディテールを、映画で確認したいと思うのだ。
- 作者: 中島京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/12/04
- メディア: 文庫
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