美味い店 季節料理 まき

izaatsuyoshi2009-10-26

金曜の夕刻、横須賀線で向かうは、鎌倉の料理屋「まき」。久しぶりで味わう「まき」の料理に、日中からいそいそとしたものだ。

のれんをくぐれば、主人の笑顔が迎えてくれた。 一足先に到着した連れはカウンターの中ほどに陣取り、早やビールを開けている。突出しはと…松毬焼のごとく縦横に細かく包丁目を入れた一口大のスルメ烏賊だ。柔らかにボイルされた身を味噌で味わう。この味噌は青梅と砂糖を味噌漬けにして3年寝かしたものだそうだ。爽やかな酸味とともに醗酵食品独特の甘みが口中に広がる。烏賊の身は白く清らかで、茶懐石八寸の一品ともなろう。

向うに赤貝、鯛の昆布〆を注文。赤貝は身が厚く絶品であった。東京の鮨屋なら相当な値が付きそうである。続く鯛の潮汁、小松菜の煮びたしは薄味で、コクがあった。

さて、今宵の訪問は、11月末の茶事懐石の打ち合わせのためでもあった。主人に向うの平目の昆布〆と強肴一品をお願いして、当方は煮物椀、強肴の和え物、八寸、箸洗い、香の物、飯を用意、そして盛付けを担当する。素材が重ならぬよう献立を決める。いつも笑顔のご主人、当方のような駆出にも丁寧に対応してくださり、心中、深々と頭を下げる思いだ。

連れは、我々の会話も肴にして、美味そうに盃を重ねている。おでんの札を見て「まきさんのおでんが食べたい」とさっそく注文した。酒は出羽桜、満足至極の週末は宵のひとときである。

献立

  • 突出し スルメ烏賊ボイル
  • 八頭煮
  • 向う  鯛昆布〆 赤貝
  • 椀   鯛 潮汁
  • 強肴 小松菜の煮びたし
  • 根菜の煮物 
  • おでん盛り合せ
  • 香の物・飯