カミーユ・クローデル

本日の日曜美術館アートシーンは、〈世界美術館紀行〉ロダン美術館の放映であった。

オーギュスト・ロダンを語る時、彼の弟子であり愛人、そしてミューズであった1人の女性芸術家の存在を切り離すことは出来ない。

カミーユ・クローデル、ロダンと出会い才能を開花させるが、やがて破局、次第に心を病んでいく悲劇の女性。

カミーユはロダンのもとを離れ彫刻家として生きようとするが、当時、存在が稀であった女性アーティストへの偏見が、より彼女の精神を荒廃させていく。後半生は、30年にわたる日々を病院で送っている。

1988年に公開された映画『カミーユ・クローデル』は、イザベル・アジャーニが壮絶なカミーユの半生を熱演した名作。ロダン役は怪優ジェラール・ドパルデュー。精悍で、悩み深き彫刻家を好演した。

キャスティングは素晴らしかった。もう一度じっくりと見たい作品である。

しかしオーギュストとカミーユ、強く惹かれあいながら、寄り添い生きられなかった二人。芸術家ゆえのプライドの成せる悲劇であったろうか。