即興蓬莱山

連れと久方ぶりの箱根に出かけた。朝御飯に携えた弁当は、牡蠣と生姜の炊込ご飯に唐揚、出汁巻玉子、ブロッコリーの塩ゆでと、いたってシンプル。牡蠣が大好物の連れはご飯を口に運んで一言。 「今年はこれを最後にしよう。旬の牡蠣の美味さは失せたね」とは…

明月庵 ぎんざ田中屋

連れの舌を満足させる店は東京にいくつあるのだろう。懐石に美味い店はあるが、そうチョクチョク行けるわけでもない。蕎麦の老舗「ぎんざ田中屋」は季節の一品料理に工夫があり、このところ週一で訪れる店である。新春1月にはすでに若筍の料理が出揃い、この…

いせ源

毎冬、12月と2月に足を運ぶ「いせ源」にて、師走21日、あんこうに舌鼓を打った。本日、連れは斑唐津と高麗青磁の盃を携えてきた。まずは肝刺しに煮こごり、唐揚を前に一献。のらりくらり盃を重ねていると「そろそろお鍋に火をおつけしましょう!」と仲居から…

鯉とアメンボ

11月26日、連れと紅葉も見頃の箱根へと向かう。いつもながらの無計画がたたり、予約でいっぱいのロマンスカーを見送って、10時発の新宿湘南ラインに乗り込む。さて、鎌倉彫二段重箱にぎっしりと詰めた朝飯は、高松土産の練り物に厚焼き玉子、青物とお麩の二…

栗名月

今日は十三夜、ススキと秋明菊と柿を縁側に飾りました。 今、栗を煮ています。 本来なら栗名月には栗おこわを作るべきでしたが・・・ そのせいか、今夜はお月さまは顔を見せてくれません。

はとこ会

三連休の最終日、画家の道を歩み始めたはとこを招いて食事会を開いた。はとこの中では一番年下で歳も離れている彼女とは、これまで余り会う機会がなかった。今回は、人見知りの彼女のため話上手の妹が同席し、和やかな時間をともに過ごすことなった。繊細な…

梅が結ぶ縁

梅の収穫の頃となった。先週末、連れは生け垣を越えて成長した枝を剪定し、私は切り落とされたばかりの枝から梅の実をもいだ。昨年は不作であったが、今年は枝ごとに実は鈴なりである。この日の梅はまだ青く、梅酒に最適であった。拙宅だけでは処理しきれず…

箱根にて

久し振りに連れと日帰り旅に出た。行き先は箱根、これがあいも変わらずの珍道中。それではこぼれ話を少々。早朝から連れは仕事があり、新宿で待ち合わせとなった。さて9時40分発のロマンスカーの出発までは10分ちょっと、私は席を目指すも、連れはホー…

玉子先輩

甥はこの春、都内の大学に進学し、我が家からそう遠くないところに姪と二人で住むことになった。実家では喧嘩ばかりしていたというが、今はすこぶる仲が良いようである。 5月5日、二人は賑賑しく我が家に現れた。当方、彼らの好物を用意して迎えたものだ。…

広島 太田川の鮎

鮎を楽しみにろばたに出かけた。一昨日の昼、Y氏に同道して銀座・吉野で鮎を食したことを連れに話すと、こちらの言葉が終わらないうちに「その鮎恐い顔してたか? 養殖だろ!」と返ってきた。「天然の鮎は勇ましくて恐い顔をしている」とは連れの持論だが、…

味噌を仕込む

10年以上も前になろうか、母が麹屋の女主人と知り合ったことを機に、我が家の味噌作りが始まった。 1年目は女主人の丁寧な指導下に仕込みを終え、翌春には美味しい味噌を味わうことが出来た。この味噌に魅入られ、翌年からは家族総出で味噌を仕込むことにな…

いせ源

久しぶりにあんこう鍋の老舗「いせ源」に向かう。午後から冷たい雨がぱらついたせいか、順番待ちをする列もなく、すんなりと入店することが出来た。席に着いて周りを見渡せば、男女の二人連れが多いことに気付いた。三十代の恋人のようであったり、熟年の夫…

盆略点前

先日の茶事の返礼に茶友を昼食に招いた。天気もすこぶる良い。献立 前菜:柿に生ハムを巻いて ジャガイモのポタージュ 林檎・オリーブのパン(フラントイオガランティーノオリーブオイルを添えて) フロマジェダフィノワ ナチュラルチーズ 鳥挽肉と胡桃、ベビ…

梅シロップ完成!

画像は、漬け込んで5日ほどの梅。時々、容器を揺らしながら一週間ちょっと、角砂糖はすべて溶けた。梅エキスと溶けた砂糖が容器の中でユラユラと踊り、日が経つに連れ、澄み切った琥珀色に輝き出す。暑い、暑い休日の風呂上がりに、氷をガラガラと回しながら…

姪、料理をつくる

日曜の午後、姪とデパ地下に出かけ〈GIOTTO〉でスイーツを購入!この贅沢なスイーツに似合う夕食をつくろうと姪は意気込み、以下のメニューと相成りました! ベビーリーフとトマトのサラダ チキンとキノコのチーズグラタン ミニステーキ チーズ入りマッシュ…

朝からシャンパン

正月休み明けの日本、働きマンたちには超多忙の一週間であったろう。週半ば、仕事に追われる連れは言った!「疲れたねエ! あの頂き物のシャンパン、そう、あれあれ、三連休の初日に開けるとしよう」当方、即座に答えて言った。「賛成!意義なし」まさにお疲…

武士の献立

連れに付き合い、静岡に到着したのは、12時少し前。連れが所用を済ませる間、話題の「利久にたずねよ」を観ようと、迷わずシネコンに向かった。井戸茶碗に高揚されてのことだ。シネコンに駆け込むと「利久にたずねよ」の上映時間を確認する。残念! 15分前に…

秋の予感 キノコ料理2種

先週までの猛暑は去り、朝晩は大分しのぎやすくなった。一昨日の夕刻、東京大丸の地下食料品売り場で、4種類のキノコのパックを発見、ナメコ、白舞茸、エリンギ、ヤマブシタケ…天然物ではないが、しっかりと森の香りがして秋の到来を予感させる。エリンギ以…

花見の宴(井の頭恩賜公園)

敷島の 大和心を 人問はば 朝日に匂ふ 山桜花戦前に国威高揚の一端を担わされ広く知られるようになった本居宣長の歌。私にとっては小林秀雄の講演テープ(新潮カセット文庫)で耳に馴染んだ歌だ。壇上の小林は、声高らかに読み上げたものである。問題山積の…

鮎を食べる

先週末は都内のゴルフ練習場におもむくも、成果は上がらず、この週末はお中元にワインが届いたことをいいことに、鮎でも焼いてゆっくりと過ごすことにした。連れの膝の調子ももどり一安心だが、3ヶ月かばいつづけた片足の筋肉は大分おちてしまった。ササミや…

辛口! ファイヤー!! バリ勝男クン。

昼過ぎに静波海岸を出て、一路、湯治に向かう。連れの膝には湯河原が良いのか、はたまた熱海の湯が効くのか・・・わからないままにこの日は湯河原に向かうことになった。静岡駅からはゆっくりとローカル線で移動だ。連れと二人、つまみとアルコールを買い込…

静波海岸 スイングビーチ

連れはいまだ膝の痛みが消えず、ゴルフも山行もままならない。そこで週末は海を見ながらゆっくりと過ごすことにした。静岡県の海沿いの町牧之原市。「東急ハーヴェストクラブ静波海岸 スィングビーチ」を予約したが、多忙な連れは片付けなくてはならない仕事…

青森県産 天然ヒラメ

小田急新宿の地下食品店街に立ち寄る。時折、ここの鮮魚売場では天然魚のお買い得品が登場するのだ!さてこの日のお買得品は?・・・なになに?!青森県産天然ヒラメが二柵で1000円!信じられない!!大漁だったの?!何にせよ当家にとってはこの上のない幸…

"Les Grands Arbres"

連れが、最近、ハマっている赤ワイン "Les Grands Arbres" 375ml。 日本酒党の連れも、時々ワインが飲みたくなるらしい。「僕は赤はダメだねえ…」と元来、お気に召さなかったはずだが、この赤ワインは飲みやすくハマってしまった。デパ地下(大丸)のアルコ…

あんこう鍋 いせ源

2年振りにあんこう鍋の老舗「いせ源」を訪れる。この店は6名からの予約は可能であるが、それ以下であれば、入り口で受付を済ませたのち名前を呼ばれるまで店の外で待たなければならない。寒空の下、店の前には大きなストーブがしつらえてある。待つことは苦…

法師温泉 長寿館

「家にある歴代の北関東の地図を見たらね、法師温泉にはぜーんぶの地図に赤い印が付いてるの…そう、私が付けたの、それだけ何年も思い続けていた!ってことなの!!」長寿館の予約が取れると、母は珍しく興奮して語ったものである。予約サイトで週末のたった…

3つの滝をめぐる

実家の両親、嫁いだ妹、姪の5人で旅に出ることになった。宿泊先は母が常々泊まってみたいと話していた法師温泉の一軒宿、長寿館である。1日目は、日光の竜頭の滝、湯滝を回り、そこから水上に向かう道中、沼田市の吹割の滝を経由し、法師温泉に向かう行程で…

成り行きまかせの贅沢

翌朝6時前、誰もいない露天風呂に入る。昨夜からの雨は小降りとなっていたが、肩をたたくしずくが肌寒さを感じさせた。露天を出て屋内に戻ると、2,3の人たちが朝風呂を楽しんでいた。ゆったりと湯船に浸かり昨日来の道程を振り返れば、こうして何もせず流れ…

しじみの味噌汁

質のいいしじみを手に入れた。3連休のなか日、昼からしじみの味噌汁を肴に日本酒を飲む。味噌汁の吸口は千切りの生姜。盃は古唐津。しぶくて粋な取り合わせだ。昨夜はしとしとと降る雨の中、鎌倉ではじめての店の暖簾をくぐった。60がらみの素人風のおかみと…

駅弁、しのぎをけずる!

東京、信濃大町間を走る特急あずさは本数が少なく、大方は松本まで大糸線を乗り継がなければならない。しかし、ゴトゴトと小さな車両に揺られながら、ビールを片手にゆったりとした時間を過ごすのも、旅の一興である。8月9日、温泉でリフレッシュし爽やかな…